のどもと過ぎれば

のどもと過ぎれば熱さを忘れる

「熱いものも、飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。転じて、苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。」という意味。(大辞泉より)

私が小学生のころ誘拐事件があった。当時小学3年生(9歳)の女の子が塾の帰りに何者かにさらわれるという事件。
その被害者の女の子、1〜2年生のころの同級生だった。
お互いの家に遊びに行ったりするほど仲良くはなかったが、学校では話をしたり遊んだりもすることがあった。
まさか1年前まで同じ教室に一緒にいた子が突然消えてしまうなんて夢にも思わなかった。
それは他の子もみんな同じ想いだっただろう。
当時、女の子のクラスを受け持っていた担任教師は若かったのだが、一気に髪が真っ白になったのを覚えている。

しかし、私たちより何より、女の子の親が一番つらかっただろう。
毎日毎日、我が子の大好きなカレーを作って、玄関先でずっと帰りを待ってるという話を聞いた。

誘拐犯から身代金の要求の連絡が被害者宅にあったということだったが、結局、女の子は数ヵ月後、変わり果てた姿で帰ってくることになった。

女の子の葬儀は近所の公民館で行われた。
女の子の両親、親戚、小学校の教師や同級生たちが集まった。もちろん私も参列した。
お経と同級生の女の子たちの泣き声が耳に焼き付いている。

その後も犯人は見つからなかった。
同級生が誘拐され殺害された。
犯人も捕まっていないということもあり、学校や家庭では気をつけるように子供に注意を促していた。
いつも夕方遅くまで遊んでいるような友達たちも当時はすぐに家に帰っていた。

しかし、それもつかの間のことだった。
1年も経ってしまえば、ほとんどの子が以前のように夕方遅くまで遊んでいたりしていた。

私の父は「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」としきりに言っていた。


犯人は8年後、ひょんなことから捕まる。
そして長い月日を経て、平成17年、犯人には「死刑」が確定された。


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update 2007年05月18日 10時57分 | ■小・中学生時代■


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