ORANGE

たぶん小学校低学年のときくらいだったと思う。
学校が休みの日に私は父に連れられ従姉妹の家に泊まりで遊びに行った。
従姉妹の家は、何棟もあるような結構大きなマンションだったことを覚えている。

部屋の中に入り、おやつを食べながら親たちは談笑していた。
そんな大人たちの会話は私たち子供にとってはつまらないもので、出されたおやつを食べ終えると、従姉妹2人に案内され、私は、マンション内にある公園に遊びに出た。
私たち3人は公園内に設置されてある遊具でひとしきり遊んだ後、砂場の方へ行きままごとみたいなことをやっていた。
時間が経つのは早いもので、西の空に日は傾き、空はオレンジ色になっていた。

そろそろ家に戻らないとと思っていたとき、私の父が外に出てきた。
父は次の日も仕事があったので、私を預けて帰るのだった。
そのことは従姉妹の家に来る前から父から聞いていたのでわかっていた。
「今日は1人でお泊りする」頭の中ではわかっていたし、従姉妹もいるし、寂しいなんて思っていなかった。
笑顔で父親を見送り、従姉妹たちとままごとの続きをすることにした。
しかし、そのとき、後ろの方で電車の音が聞こえた。
振り返ると、もう父の姿はなく、高架の上を電車が走り去った。
オレンジ色に染まった空と、高架を走り去っていく電車の音が妙に悲しかった。
気が付くと、私はいつの間にか泣いていた。
父がいなくなって寂しいとか、そういうのではなくて、わけもわからず悲しみに押しつぶされそうだった。
「どうしたの?」「何があったの?」と心配そうに私を見つめる従姉妹。
しかし、私は答えることも出来ず、ただただ泣いていた・・・。

今から思うと、私は「父がこのまま自分を迎えに来ないかもしれない」心のどこかでそんな風に思ったのかもしれない。
夕焼けでオレンジ色に染まった空が、母が出て行ったあの日の記憶とリンクさせたのかもしれない。

今でも夕焼けを見ると、少し悲しくなったりする私がいる・・・。


update 2007年05月09日 13時05分 | ■小・中学生時代■


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